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【介護】杖歩行の場合は健側と患側どちらに立つのが正しい?片麻痺がある方への介助方法

介護の仕事で脳梗塞の疾患などが原因で手足に麻痺が残る利用者さんは多いです。

その方の状態は様々で、麻痺が強く歩けなくて車椅子を使用している方や、麻痺は軽度で歩行可能な方。

今回は、麻痺はあるけど杖で歩けるよって方の介助方法をお伝えしていきます。


【杖の持ち方は?どちら側に立つ?】

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杖の持ち手は麻痺がない(健側)方の手に持って使用します。
この時、杖の握り部分をしっかり握ってもらいましょう。

持つ方の腕は利き腕に持つのではなく必ず健側(麻痺がない方)で持ってもらい
杖を前に出したら杖に体重を乗せ患側(麻痺がない方)にかかる荷重を杖に逃がします。

介護のポイントとしては、歩行する方の麻痺側(患側)に立つのが正しいです。

麻痺側は、身体を支える力が弱いのでバランスを崩した時に踏ん張る力が働かないため、
ふらついた時や、バランスを崩した時に麻痺側から転んでしまう恐れがあります。

その為、介助する場合は意識して患側からの見守りや片脇介助をするようにして
立ち位置は、斜め後方で見守るのがベストです。理由はふらついた時にすぐ支えることができるからです。


【杖歩行の足の出し方は?】

①麻痺がない方(健側)の手に持っている杖を一歩前につきます。
※ゴム先の先端をしっかり床につける

②麻痺がある方の足を前に出します。

③麻痺がない方の足を前に出し、麻痺側(患側)の足と揃えます。

④1,2,3を繰り返す。

【声の掛け方は?】

迷いのないスムーズな歩行を促す場合は利用者に分かりやすい声かけが必要です。
最初に上記で説明した歩き方を話します。

例えば右麻痺だった場合は

杖→左足→右足

と声かけします。

リズミカルなテンポで声かけすると利用者もスムーズに歩行できます。

慣れてきたら

「いち」「にー」「さん」、「いち」「にー」「さん」、「いち」「にー」「さん」

と繰り返してもOKです。

【杖歩行での階段の上り方や降り方は?】

階段の歩行についても通常の動作と同様です。

上記の①②③を繰り返します。

登る時、降りる時でも杖を一段づつ段差にゴム先をしっかりつけます。

階段は無意識に早く「登らなきゃ」、「早く降りなきゃ」と気にされる方もいるので

焦らないように「ゆっくり自分のペースでいいですよ」など声掛けしてあげましょう。

【杖のゴム減りには注意】

杖の先端のゴム部分は消耗しますので、交換が必要になります。

杖のゴム減りで溝がなくなると、先端が滑るので危険です。

車のタイヤと同じように杖先のゴムは定期的に点検し、ゴムが減っているようなら絶対交換しましょう。

杖のゴム交換は見過ごされがちですが、杖をついた時に滑って転倒し骨折するケースもありますので要注意です。

【最後に】

麻痺がある方の杖歩行の介助は基本中の基本です。

僕が介護福祉士実技の試験を受けた際にも試験のお題で出ました。

介助する人はしっかり患側側に立ち、声掛けをするのが大切です。