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歴10年の介護福祉士が介護職に関する悩みを解決するブログです

【介護職】高齢者の食事ケアで気をつけるポイントは?

高齢者の方にとって食事は1日の中で特に楽しみにしている事の1つです。
食事することは生きる意味で必ず必要な行為であり、身体の栄養を支えています。

介護職が第一にに考えるのは「美味しく食べて頂く」ということです。
例えば介助の効率を考えて次々に利用者の口の中に詰め込むような食べさせ方はNGです。

この記事では食事ケアで気をつけるポイントを紹介したいと思います。


【姿勢】

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食事の際は、座っている状態できちんと床に足をつけて軽い前傾姿勢を取るのが基本の姿勢になります。

車椅子の利用者は構造上、足が床につきずらく、座面が沈むような作りになっているので前傾姿勢をとりずらいです。
そのため、できるだけ普通の椅子に移り変えて食事してもらいます。

また、アゴが上を向いていると食べ物が気管に入りやすくなってムセやすくなり、必ずアゴは引いた状態で摂取してもらいます。
試してみると分かりますが、上を向いた状態だと飲み込みもできなくなります。

ベッド上で介助する時にも頭の後ろに枕を入れてアゴが上に向かないようにします。
アゴと胸の間に指が3本入る位が目安です。

【介助の留意点】

介助用のエプロンを着用し食事介助は座って行いましょう。

立った状態で介助を行うと、利用者の目線が上になりアゴも上を向いてしまう場合があり危険です。
また、利用者に対しても失礼にあたります。

食べこぼしがある利用者の場合はエプロンを使用して頂く。

口の中の食べ物を飲み込んでから、次のひと口を入れる。

一口の量は多すぎないようにする。

食事のペースは早すぎないようにする。

一つの事に集中しすぎず、全体を見守るなどの配慮も必要。

食べ終わった方の摂取量を確認し記録する。

食事後は30分〜1時間位は起きているようにする(逆流性食道炎を引き起こす場合あり)。

【むせの原因・対処法】

本来、食道に入るべき食べ物が誤って気道に入り、それを気道から追い出すために起こる生理的な身体の現象です。

そのため、無理に止めずしっかりとむせて異物を気道から追い出すことが大切です。

<ムセた時の対処法>

ムセが出現した場合には、一旦中止しましょう。

①前傾姿勢になり、咳を出してもらう。

②むせが落ち着くのを待つ

③深呼吸を3回繰り返す


※ムセがひどく持続するようなら看護師へすぐに報告しましょう。


ムセやすい方には、トロミを使用するなど工夫するのも大切です。
つるりんこQuickly (とろみ調整食品) 800g入/7-2683-03

【その方にあった食事の形態を提供する】

普通の食事を食べれるかたは問題ありませんが、歯の状態が悪く固い物が食べれなかったり、大きくて飲み込めない場合があります。

そのような方には副食を1口大にしたり、刻み対応にしましょう。

また、飲み込みがとても悪く、きざみ食でも厳しい場合は流動食(ミキサー)を考える必要があります。

一人一人に合った食事形態をしっかり把握しましょう。

【食べ物の好き嫌いを把握する】

あらかじめ利用者の好き嫌いを把握しておくのが大切です。
高齢者では肉嫌いな方も多かったり、麺が食べれない方もいて好みは様々です。

嫌いな食べ物が提供されると箸が進まず、摂取量も少なくなってしまいます。
そのため事前にしっかり調べてから提供しましょう。

中々自分では言えない方も多いので、食事の際に声かけしてその方の嗜好を読み取りましょう。
「美味しく食べて頂く」には必須です。

【お腹が空いていない・食欲がない】

食事の時間になっても「お腹が減っていないから食べたくない」と返答する利用者がたまにいます。

その場合の対処法は「少しだけでも食べませんか?」と声かけしたり、少し時間を開けて食べたくなるタイミングを待つことも重要です。

本当に体調が悪そうにしている時は、看護師に報告したりバイタル測定をしましょう。
異常があったら居室で食べてもらうなど安静対応しましょう。

他にも口の中の痛みで食欲が落ちている事もあります。

入れ歯が合わない、歯茎の腫れ、口内炎など原因の可能性があります。

【席の配慮をする】

誰とでも仲良くできる方は問題ありませんが、利用者同士でも仲の良い人、悪い人がいます。

食事は親しい人と一緒に食べれば美味しく食べれますが、嫌いな人と顔を合わせて食べるのは苦痛で不味く感じてしまいます。

そのため、利用者の席の配慮にも気を配ることが大切です。

【最後に】

いかがでしたか?

今回述べた事を意識するだけでも食事ケアのレベルが少しUPすると思います!

高齢者にとっての食事は毎日の楽しみです。

「美味しく食べて頂く」ことをモットーに介護にあたって頂ければ幸いです。




【介護職】高齢者に多い病気や特徴・観察ポイントは?緊急時はどう対応したらいいの?

介護職では職業上、高齢者が罹りやすい病気や症状などのポイントを知っておくのは必須です。
高齢者は自覚症状がなく自分で気づかずに症状が悪化するパターンも見受けられます。
大事に至らないように日々のケアの中で気づきの力をUPさせましょう。


【高齢者に多い病気と観察のポイントは?】

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高齢者に多い病気を覚えましょう。
病気と直接関わりのある症状が見えてくるからです。

フェースシートなどで、担当する利用者がどんな病気を持っているか確認しましょう。
そして、利用者が日常生活の中でその病気がどのような不自由をもたらしているかを考え支援していくことが大切です。

・観察のポイント-

無理な活動をしていないか
精神的なストレスはないか
息切れしたり、呼吸が苦しくなることはないか
胸の痛みはないか
むくみはないか

  • 呼吸器疾患(慢性閉塞性疾患、喘息)

・観察のポイント-

息切れをしたり、呼吸が苦しくなることはないか
どのような動作のときに苦しくなるか
発熱や咳、痰がらみはないか
ヒューヒュー音はしないか
精神的な不安はないか
居室は掃除されているか

  • 糖尿病

・観察のポイント-

低血糖の症状はないか(空腹、発汗、ふるえ、疲労、脱力感など)
高血糖の症状はないか(著しい口渇、多飲、多尿 、だるさ 、嘔吐、下痢、腹痛など)
食事量、体重の変化
手足の指さきの色や冷たさ
手足の先に傷はないか(治りにくい)
視力の低下、脳梗塞等の合併症はないか

  • 脳血管疾患

・観察のポイント-

手足の麻痺はあるか
血圧の急激な変化はないか
激しい頭痛はないか
目の見え方に変化はないか
ふらつきや転倒はないか
ろれつが回らないなどはないか
急に物忘れがひどくなったりしていないか
水分はよく取れているか


・観察のポイント-

便秘は低血圧症は起きていないか
うつ状態はないか
せん妄(幻覚や錯覚)がないか
転倒の危険はないか

  • 膝や股の関節症

・観察のポイント-

どのような時に傷みがあるか(立ったとき、座った時など)
食事量や体重は適正か
活動が少なくなっていないか
傷みによるストレスはないか

  • 関節リウマチ

・観察のポイント-

手指の変形はどの程度か
関節の痛みや腫れの程度
微熱やだるさはないか
福祉用具の工夫はできないか

  • 脱水症

・観察のポイント-

下痢・嘔吐などないか
発熱がないか
唇が渇いていないか
目がくぼんでいないか
食欲はあるか

【高齢者の病気の特徴】

・症状、経過が典型的ではない(非典型的)


・合併症を起こしやすい

脳梗塞で寝たきりを起こして肺炎になる場合があります。


・複数の病気をもっている

1つの病気だけじゃなく、糖尿病、脳血管障害、白内障など複数の病気を持っている場合があります。


・慢性的に経過することが多い

治る病気ではなく、後遺症で経過が長くなることが多いです。


・病状が急変しやすい

症状が急に悪化することがあります。


・脱水、電解質異常を起こしやすい

脱水は高齢者に多い症状です。


意識障害、せん妄を起こしやすい

精神症状がでやすいのも特徴です。


・薬剤の副作用が出やすい

副作用で様々な症状が生じるので注意が必要です(眠剤を飲んでふらふらするなど)

【緊急時の対応】

緊急時に適切な対応を行うには普段の様子からどう変化したのかがわかる事が重要です。
看護師や救急に報告する際には必ずバイタル測定が必須です。

・体温

通常は35.5~37.0位だが普段の体温との比較が大事
触った時の熱感、顔色、表情、呼吸状態も観察します。

・血圧

麻痺がある場合は、麻痺がない側で測定する。
110~140/60~90位が理想の数値(普段との比較が大事)

・脈拍

通常は1分間に60~80回の規則正しいリズムです。
深呼吸をしてから測定するようにする。
不整脈はないか

・呼吸

通常は1分間で15~20回。
苦しそうかどうか、淡がからんでいないか。
姿勢がかわると苦しいかなども観察。

・意識

会話ができるか
目が開くか
声をかけて目が開くか
つねるなどの傷みの刺激によって目が開くか
つねるなどの傷みや刺激があっても目を開けないが、払いのけたり、顔をしかめたりしないか


上記のバイタルサインの値と普段と比べてどう違うのかを医療職に伝えましょう。



その後の処置や治療は医療職の仕事になります。
介護職は第一発見者で適切に医療職につなぐことが大切になってきます。

また、すべてを一人で行おうとせず役割分担を行いましょう。

看護師へ連絡する人
救急車を呼ぶ人
家族へ連絡する人
保険書など必要書類を用意する人
ストレッチャーの通り道を確保する人
案内係りをする人

他の利用者を不安にさせないことも大切です。

【最後に】

病気の悪化が日常生活に及ぼす影響は大きく、健康管理や日常生活での注意点、今後予測される状況などについても介護職と医療職で打合せすることが大事です。
安心した生活を送っていただくためにしっかり連携を取りましょう。




【新人介護士へ】介護現場で役立つ接遇やマナーを覚えて信頼関係を構築しよう!

介護職は利用者やその家族、同じ職場の上司や同僚など沢山の人との関わります。
そのため、対人援助の基本としての接遇やマナー、社会人としての振る舞いが重要になるのです。
マナーとは「人を心地よくするため」と言われる他「人を不快にさせない」という事も目的として覚えておきましょう。


【身だしなみ】

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相手に対しての印象の決めてで身だしなみは重要です。
清潔感を意識して、他人に不快感や不安感を与えないようにしましょう。
「あの人に介助してもらいたい」と思ってもらえるようになる事も介護職の仕事です。

  • 髪型

髪型は仕事にふさわしい髪型を心がけましょう。

長い髪はまとめて束ねる。
前髪は目にかからないようにする。
寝癖は直す。
ヘアカラーは自然なものにする。
肩にフケや抜け毛をつけない。

耳垢、鼻毛に注意する。
濃い化粧はNG。
ヒゲやクマなどがないようにする。
マスクは風邪以外の時は外す(表情が相手に見えなくなるため)

爪を切っておく。
つけ爪は利用者を傷つけてしまう恐れがあり危険。
マニキュアも良い印象を与えない。

  • 服装

ボタンを止める。
汚れやシワをなくす。
袖をまくらない。

  • 足元

ストッキングや靴下の穴あきに注意。
靴が汚れてないか。
清潔な状態を保つ等。

  • アクセサリー

利用者を傷つけてしまう恐れあり、原則禁止。
看護職にとって時計は業務上必要で施設によってはOK。
結婚指輪については事業所による。


【基本の挨拶】

朝「おはようございます」

昼「こんにちは」

夜「こんばんは」

就寝時「おやすみなさい」

食事前「いただきます」

食後「ごちそうさまでした」

感謝する時「ありがとうございます」

謝る時「申し訳ありません」

お願いする時「よろしくお願いします」

部屋に入る時「トントン(ノック)、失礼します」

同僚をねぎらう時「お疲れ様でした」

外出する時「行ってきます」

戻ってきた時「ただいま、戻りました」

同僚が帰ってきた時「お帰りなさい」

退社する時「お先に失礼します」

お客様を迎える時「いらっしゃいませ」

お客様を見送る時「お気をつけてお帰りくださいませ」「またお越しください」


【現場で使える言葉遣い】


何かを頼まれた時「はい、わかりました」

手が離せず待ってもらう時「少々お待ちください」

お待たせしたあと「大変お待たせしました」

トイレをすすめる時「お手洗いはいかがですか?」

散歩に誘う時「お散歩にいきませんか?」

体調を訪ねる時「お身体の具合はいかがですか?」

困ってる人がいた時「どうされましたか?」「何かお探しですか?」

食事を誘う時「お食事の時間になりました。食堂にお越しください」

【NGな言葉使い】

  • 友達口調

馴れ馴れしく「〜しようか?」「お風呂行くよ〜」など。

「〜しましょうか?」「〜しませんか」という丁寧語を用いるようにしましょう。


  • 否定・禁止・指示・命令口調

「だめです」「〜しなさい」など不快な思いをさせる言葉使いは避けるようにしましょう。
このような言葉使いは聞いていただけない事も多いはずです。

  • 難解な言葉・専門用語など

利用者が理解できない難しい言葉、専門用語、一度にたくさんの事を話す、気分を害するような大きな声、強い口調、早い口調などです。

  • 虐待になりうる言葉

「そんな事もできないの?」とバカにしたり「ここにいられなくなるよ」と脅しのような事を言う。
「あーんして」など子供扱いをする。

【表情・態度】

コミュニケーションの印象は視覚視覚情報から受けるものが全体の5割を占めると言われています。
それだけに職員の表情や態度はとても重要です。

笑顔で接するのが基本で利用者が声をかけやすいような雰囲気を作ることが大切です。

立っている時の姿勢は背筋を伸ばしアゴを引く、軽く胸を張る、などの事を気をつけましょう。


座っている時は、正面を向く、背もたれに寄りかからない、足をくまない、手は膝の上にのせるなどが綺麗な姿勢のポイントです。


お辞儀は背筋を伸ばし腰から折り曲げ首を動かさないようにするのがコツです。
また、先に挨拶をしてからお辞儀をするとより丁寧に見えます。

その他、ものを渡す時は両手を使う、何かを指示する時は指ではなく手のひらを相手に向けて指を揃えて示す。
目線は相手の目を見るなども習慣化しましょう。

【不適切な表情・態度】

利用者が声をかけられないくらい忙しようにバタバタ忙しく動き回る。
疲れた表情をしている。
スタッフが集まって私語をしている。
立っている時に腕を組んだり、壁に寄り掛かったりする。
足を組む、猫背、無表情、不機嫌、眉間のシワ、貧乏ゆすり、ペンで遊ぶ、あくびをする。
利用者の性にする、相手に関心を持たない。

など上げたら沢山ありますが、介護の専門性や知識、技術を問う前にこうした表情や態度をなくすことから徹底しましょう。

【信頼関係を得る】

信頼は積み重ねです。
小さな事を毎日コツコツ行い続ける事で信頼が高まります。

  • 利用者との信頼関係

利用者の気持ちを聞いてから介護を行う。
約束を忘れない。
話しかけられやすい表情や態度、雰囲気を心がける事。

  • 家族との信頼関係

何かを質問されてわからない時は「わかりません」という返答では信頼を失います。
「わかる者を呼んできますので少しお待ちいただけますか?」と言って先輩や上司を呼びましょう。

職場の人を話題にする時は「さん付け」ではなく性を呼び捨てにしたり「施設長の高橋」などと言います。

  • 上司との信頼関係

報告をきちんとすること。
頼まれた仕事については途中経過を報告すること。
やむを得ず遅刻、欠勤する時は始業時間に電話等で直接伝え出社後は謝罪するようにしましょう。

  • 同僚との信頼関係

与えられた仕事に責任をもつことが大切。
できない時には同僚に相談したりアドバイスをもらったり手伝ってもらう。
お礼をきちんと伝える。
率先して同僚の仕事を手伝う。

【最後に】

介護現場で役立つ接遇やマナーを伝えましたが、社会人としての常識でもあります。

新人はわからなくて当たり前のことが多いです。そのままにせず周りに人に聞いたり、調べましょう。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言う言葉もあります。

そして介護現場では何よりも利用者への介護を一生懸命、丁寧に行うことが大切です。
この記事を読んで参考になったら幸いです。ありがとうございました。




【怒ったらダメ】認知症って?行動や対応の仕方を分かりやすく解説します

認知症の方を相手にしていると言うことを理解してくれなかったり、勝手なことをされてイライラすることがあります。

苛立つとつい大きな声で怒鳴ってしまい、ますます言うことを聞かなくなって負のループ。

まずは認知症を理解することからはじめ、適切な認知症の行動や対応の仕方について伝えたいと思います。


認知症って?どんな行動をする?】

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認知症とは物事の認識、記憶、考えたり、判断する力が障害を受け日常生活に支障をきたすようになった状態です。
認知症と物忘れに大きな違いがあります。


・物忘れの例
昼食を食べたのに数時間後に食べたものを忘れてしまった。

認知症の例
昼食を食べたのに、食べたこと自体を忘れてしまった。


2つの例を比べてみればわかる通り、認知症はそのこと自体を忘れてしまうのです。
食べた食事の内容を忘れてしまうのは私達もあり、高齢者では脳機能の低下で多々見られます。



認知症の行動、早期発見のポイント>


  • 物忘れ

同じことを何度も言う

いつも探し物をしている

  • 判断、理解力が衰える

話のつじつまが合わない

新しいことが覚えられない

  • 時間・場所がわからない

慣れた道でも迷ってしまう

日にちや曜日を間違えるようになる

  • 人柄が変わる

以前より怒りっぽくなった

自分の失敗を人のせいにする

  • 不安感が強い

家族がいないと寂しがる

出かける際に、持ち物を何度も確かめる

  • 意欲がなくなる

以前はお風呂好きだったのに入らなくなった

趣味活動をしなくなった



上記にあげた行動が目立つと認知症あるいは認知症の疑いがあります。

menscare.hatenablog.com


【怒ったらだめ?否定したらだめ?】

認知症の方は繊細で、強い不安を抱えています。
時間や場所が分からなかったり、記憶が定かではなく常に不安定な状況だからです。

そのため怒って大きな口調やきつい言い方で否定すると、とても不安になります。
不安感が強くなると、急に怒り出したり不穏になったりします。

そのため、対応する際はしっかりと「寄り添いながらゆっくり話す、穏やかに話す」
を心がけると認知症の方は安心します。

また、理解しやすいように一度に沢山のことを話さないようにするのもポイントです。


僕の体験談で、ある職員が認知症の利用者を対応していたんですが物凄くキツイ言い方で対応をしていたんです。

「ちょっと!何でそんなことするの!ダメでしょ!」

それに反論して利用者は「何だとー!うるさいな!」

と声を荒げていたんです。

言う事を聞いてくれず苛立った職員の気持ちはわかります。
人間ですからつい感情的になる場面もありますよね。

ただ、こういう時に少しでも上記の寄り添うケアのことを意識していただければと思います。


【適切なケア方法は?】

認知症のケアにおいては「正解」はありません。
それは一人一人の状態が違うからです。

これから紹介する6つの方法を組み合わせながら良いケアを目指すのが理想です。

  • ①中核症状に対してのケア

中核症状とは、脳の障害によって起きる症状で、時間や場所人が分からなくなる判断力の低下などです。

このような症状に対しては、時計屋カレンダーで日時を分かりやすくする、メモを残す、声かけをする、昔の話をして記憶に対して自身を持ってもらうなどのケアを行うことが望ましいです。

  • ②適度な運動と活動

適度な運動や活動をすると、脳の血液の代謝と循環が活発になり認知症の緩和、予防に適しています。
特に散歩は効果絶大との研究結果があります。

また、屋外に出るのも活動量が多くなり外出の機会を持つことは生活リズムを整えます。

運動による適度な疲労感は夜もぐっすり眠れて昼夜逆転を防ぎます。

水分不足や便秘、慢性疾患が原因で認知症の症状(BPSD)を進行させるケースもあります。

認知症の方は自分の身体の変化(発熱・痛み)を伝えるのが難しい場合があり、ケアをする職員や家族が気づいてあげることが大切です。

内服についても薬の飲み忘れや、通常より多く飲みすぎてしまう事もあり注意が必要です。

  • ④会話の機会をもつ

人との会話は脳の働きが活発になります。
そのため他者と会話を持つ機会を増やし笑い合えるような場を提供しましょう。

1人1人興味のある話題や好きなことは違うので、そのかたに見合ったお話をしたり映画や雑誌などの提供も会話の糸口になります。

  • ⑤趣味活動

先に述べた事柄ですが、興味や関心のあることに取り組むと快刺激につながります。
私達も、好きなことをしている時は楽しさだったり、幸せを感じますよね。

取り組みによってメンタル面も安定しますのであらかじめケア対象の方の情報を事前に調べて活動やレクリエーションを
考えてケアしていきましょう。

1人では中々動いてくれない場合は周りを巻き込んで一緒に行うと「やってみるかな」と意欲的になります。

役割や日課は定期的に身体を動かす機会につながります。
毎日のラジオ体操を行うようにすれば、それは日課になり毎日の行動習慣として運動を日課にすることができます。

他にもタオルたたみやウエス切りなんかも役割として適していますよ。


【最後に】

1人1人性格や症状も違うため、介護の仕方に正解はないかもしれません。
しかし、その方に寄り添うことで正解に近ずくことができると思います。
この記事が認知症ケアにおいて皆さんの参考になれば幸いです。




【介護】失語症の方とのコミュニケーションはジェスチャーやボードを活用しよう

介護のサービスを利用される方の中には、失語症でうまく言葉を発せない方が居ます。

そのような方とのコミュニケーションはどうすればいいの?と悩んでいませんか?

そこで今回は失語症の方との信頼関係を築くためにオススメのコミュニケーション法をお伝えしたいと思います。


失語症になる原因は?】

失語症の原因は様々ですが、高齢者は脳血管障害が起因となって発生する場合が多いです。

右の脳に障害があると左半身の運動機能や感覚障害が起こり、逆に左の脳に障害があると右半身の運動機能や感覚障害が起こります。


右利きの方は、一般的に左の脳で発話、言語、計算などの機能を果たしています。
そのため言語中枢が損傷すると失語症になる場合が多いです。

【どの位話せる?】


相手の障害レベルを測る上でまずは普通の声かけからコミュニケーションを図っていきましょう。

そうする事で相手がどこまで話せるのか、全く話すことはできないのか知ることができます。
また、フェイスシート上の情報と違うところもあり、利用者さんと触れ合ってみると実際の障害レベルが図れます。

声かけは「おはようございます」「こんにちは」など簡単な挨拶から初めてみるのが良いです。

ゆっくり、はっきりとした声で声掛けしましょう。

簡単な内容であれば、利用者の方も理解しやすく反応しやすいです。

逆に難しい質問だと理解できなかったり、返答に時間がかかったりします。

そのため利用者の方も上手く発せない事でストレスが溜まります。

その点をしっかり踏まえて言葉がけを行うのがベストです。

ジェスチャーは有効?】

言語障害の方とのコミュニケーションツールでジェスチャーは有効になります。

言葉と違い身振り手振り動作は目で見て感じ取れるので言葉よりもコミュニケーションが取りやすいです。

言語以外のコミュニケーションは非言語的コミュニケケーションと呼ばれるものでジェスチャーなどは正にその1つですね。

他には笑顔や怒った顔、声の大きさやトーンなど沢山あります。

嬉しい時は自然に笑顔になるし、怒った時は眉間にシワが寄ったり声が大きくなったりしますよね。
その要素が非言語的コミュニケーションと呼ばれるものになります。

相手が笑顔だったら「いいことあったんだ」と思えるし、眉間にシワが寄っていたら「怒ってるんだな」と判断することができます。

言葉よりも見ただけで判断できるので非常にコミュニケーションツールとして有効なことがわかります。

身振り手振りの動作では、お辞儀をしながらにこやかな表情を浮かべれば「挨拶しているんだな」ってのが分かりますし
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眉間にシワを寄せて鬼のツノを表してジェスチャーすれば「怒っているんだな」っていうのが一目で分かります。
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非言語的コミュニケーションの有効性を分かっていただけましたか?
ぜひ実践に役立ててください!

【ボードや紙に伝えたいことを書こう】

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言葉は発せないけど字をかける方は多いです。

そのためコミュケーションツールの1つとして紙やボードに書いて伝えたり、利用者さんに書いて伝えてもらう方法は有効です。

言葉が字体に変わっただけなので思いや伝えたいことは的確です。

長い文章は読み書きする方は疲れます。
できるだけ短く簡潔に書くことがポイントです。

【コミュニケーションにアプリもオススメ】

現代ではスマートフォンタブレットを使用して簡単にコミュニケーションが取れるアプリも開発されています

手書きの時間も解消してくれるのでオススメです。


【最後に】

いかがでしたでしょうか?
今回は言語障害の方とのコミュニケーション法をお伝えしました。

失語症の方は思っている事をはっきり言えなかったり、正しく理解できなかったりします。

そのため日々の生活の中で思うようにコミュニケーションが取れず悩んでいる方が多いです。

1人1人症状や性格も違います。
そのためしっかり相手と向き合い、コミュニケーションの基礎をしっかりおさえていただければと思います。




【必見】忙しい主婦でも継続できるケアマネ試験勉強法!

今回は僕が持っている資格、介護支援専門員の無理なく継続できる勉強法について書いていきたいと思います。
時間ないって方や主婦の方に特にオススメの方法になります。

ケアマネ試験の合格率は
第20回で20%を超えていますが直近ではほぼ20%以下になっています。5人受けて1人受かるか受からないか微妙なとこですね。
ちなみに僕は第19回の13.1%の時に合格しました(3回目笑)

この数値から見える通り、ケアマネの試験は生半可な知識じゃまず受かりません。

介護の法律に関することなど覚える範囲もかなり多く、働きながら勉強するのは大変です。

僕の体験では、介護福祉士の5倍以上は難しかったです。これから初めて試験を受ける方は参考にしてください(笑)

資格勉強って普段の忙しい生活の中にプラスしなければいけないわけですからとても大変ですよね。
3日坊主になってしまうのも無理ありません。

しかし、忙しい方や勉強時間が中々取れない人でも無理なく継続できるリスニング勉強法があります。
これを行えば自然と知識が頭にインプットされるのでオススメの勉強法です。



家事や子育てなどで勉強する時間がない方はとにかくリスニング!

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日中は仕事して、帰宅したら家事や子育てで資格勉強の時間がなかなか取れないって方は多いと思います。
そういう方にとって特別な勉強法があります。
それは問題のリスニングです。

リスニングって英語の聞き取りに使われる意味ですが、これをケアマネの試験問題対策に応用します。

どのようにリスニングすればいいかと思われるかもしれませんが、極力お金をかけない方法は
YouTubeで試験対策動画の音声を流したり、自分で作成した音声を流します。

自分で作成する方法は、本屋さんで販売されている問題集を購入して中身の問題と解説を
読み上げ、スマートフォンの録音機能で録音しましょう。

録音したファイルは車の中で流したり、通勤中のバスや電車などでもイヤホンで聞けて
手を動かさなくても家事の最中や子育てしながらでも無理ないはずです。

しっかり聞こうと思わなくても大丈夫です。何百回と繰り返す度に自然と頭にインプットされますから。
歌を聴いてるのと一緒です。

録音方法で大事なのはリスニングの問題と、解説を一緒にすることです。
解説を一緒にすれば問題の意味や理解がより深まります。

もし分からない部分があったりした場合はそのままにしないでしっかり理解することが大切です。

最後に

資格勉強はしっかり目標設定してコツコツ続けるのが大事です。
しかし、休むこともそれ以上に大事です。休んだ後は、また再開しましょう。

そしてメンタル的な話になりますが一番大事なのは
「諦めないこと」です。

僕みたいに3回目で受かったり、5回、10回で受かったり様々な方がいます。
諦めなかったら絶対受かります!この記事を見た皆様が受かるように僕も応援しています!




【辞めてよかった】若いうちに介護職を転職した方がいい4つの理由!

僕は高校卒業してから働き介護福祉士、介護支援専門員の資格も取る事ができました。
しかし、このままずっと介護業界で働いていくことに疑問を持つ事も多いです。

あたなは現在思考停止状態で介護の仕事に就いていませんか?
他に本当にやりたい仕事はありませんか?

人生は1度なので、若い方は特に後悔しないようしっかり考えてほしいと感じています。

介護の仕事は経験や資格があればいつでもやり直しはききますから。

以下理由を述べます。


介護士は誰でもできる。まともな職員が少ない

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実は介護施設で働くにあたって、資格不要です。
学歴も関係ありません。

年齢もほぼ関係ありません。

圧倒的に働き手の数が少なく、職員の募集需要があります。

もちろんケアマネジャーと呼ばれる仕事をするには資格は必要ですが、介護士は誰でもできます。

基本的に肉体労働なので、頭の良さや知識がなくても働けます。

年齢に関しても、50代〜60代の方で健康的ならバリバリ働けます。

誰でも働ける、これが意味する事なんですが
ぶっちゃけると、働く人でマトモな人が少ないんですよ。

自分自身を棚に上げて話すような言い振りに聞こえると思えますが、一緒に働く人がマトモじゃない人が多かったらかなりしんどいです。

例えば

  • 乱暴な言葉使いで利用者さんを対応する人。
  • 声のボリューム調整ができない人。
  • 文句ばかり行って、自分の事しか考えない人。
  • 無茶なシフトを希望する人。
  • 陰口ばかりな人。
  • 気に入らない職員に対するイジメ。

などなど、他にも沢山あります。

あまりにも人間性にかける人が多いです。

全部の職場がそうではないと思いますが、僕が働いていた職場は正にこんな感じでした。

人手が少ないからといって、誰でもかれでも採用しますからね。

これがまともな人が少ない理由です。

考えてみれば、本当に介護職が好きで働いているという一部の方を除いて
他の職業に就ける方は違う職業を選択しますよね。

もちろん人間性が良くて仕事もバリバリできる人もいるんです。
ただ、一部のエゴイストな職員の人間性が悪くそれが周りに悪影響を与える事が多いです。

低所得層利用者のクレームや、どんな利用者でも受け入れる姿勢

介護を利用される方は低所得な方が多いです。
これは高齢者ビジネスなので仕方のない事ですが、1ヶ月〜2ヶ月もお風呂に入っていなかったり
家がゴミ屋敷みたいになっていたり‥なんて方も当たり前のように受け入れます。

僕の経験上、明らかに低所得層からのクレームが多かったです。

クレーム内容的にも大したことでもないことを大袈裟に言われる事もありました。

金持ち喧嘩せずという言葉がある通り、やはり低所得層の共通点でクレーム多いのは事実です。

介護保険上、受け入れる施設は基本的に特別な事情がなければ拒めないんですが、できればお客さんを選んでもいいのでは?
って500回位思いました。

施設側は選べる立場ではないのかもしれませんが、個人的には介護サービス以外のブランディング要素を意識した施設の運営はできないのかな?と思っています。

実際、認知のない利用者さんと認知症が進んでいる方と混合で生活して頂くんですが
重度な認知症がある方は、平気で他者の部屋に入ったり放尿したりって事があります。

そのため認知のない利用者さんは「もうここ使いたくないわ」となって来なくなる事もあり
負のスパイラルが巻き起こります。

人間関係や利用者対応で精神的に疲れる

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介護の仕事は直に人と触れ合う仕事ですので、精神的な疲労度がかなり高く
特に認知症状のある利用者対応は疲弊します。

また、利用者さんの家族対応や周りの職員とのチームワークや上司とのやり取りでかなり消耗します。
中途半端な役職の立場は一番大変で、後輩からの訴えや上司からの訴えが絶え間なく板挟みになる事も多いです。

僕は介護職のリーダーをやっていたんですが、業務や精神的に消耗する事が多いのに他の介護士とお給料あまり変わらず
意味がわからなかったです(笑)

しかも、夜間待機として電話で夜中起こされる事も多々ありそれもストレスでした。

大型連休がない。土日休みが少ない

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介護職はサービス業なので、基本的にシフト勤務です。
(デイサービスなどは土日祝の休みがあるかもしれませんが・・・。)

ゴールデンウィーク、お盆、年末年始などの連休もなく長期の外出はできず
家族の時間を取れない方も多いと思われます。

施設長や管理者はなぜか連休や祝日に休んでてまさに「?」状態です。

最後に

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色々と語りましたが、介護職で働いていて精神的に辛いって方は多いと思います。

つらくて休みの日は何もする気がおきなかったり、人と合うのが億劫だったり食欲減退してませんか?

もしあなたがこのまま介護職を続けるかどうかを悩んでいて、年齢的にもまだ転職できる範囲内だとしたら早々に見切りをつけて辞める事も
視野に入れていいと思います。

もし今そういう状況だとしたらしっかり今の自分と向き合い見つめ直す時間も大切です。

今より自分に合った適職は必ずあります。