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【怒ったらダメ】認知症って?行動や対応の仕方を分かりやすく解説します

認知症の方を相手にしていると言うことを理解してくれなかったり、勝手なことをされてイライラすることがあります。

苛立つとつい大きな声で怒鳴ってしまい、ますます言うことを聞かなくなって負のループ。

まずは認知症を理解することからはじめ、適切な認知症の行動や対応の仕方について伝えたいと思います。


認知症って?どんな行動をする?】

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認知症とは物事の認識、記憶、考えたり、判断する力が障害を受け日常生活に支障をきたすようになった状態です。
認知症と物忘れに大きな違いがあります。


・物忘れの例
昼食を食べたのに数時間後に食べたものを忘れてしまった。

認知症の例
昼食を食べたのに、食べたこと自体を忘れてしまった。


2つの例を比べてみればわかる通り、認知症はそのこと自体を忘れてしまうのです。
食べた食事の内容を忘れてしまうのは私達もあり、高齢者では脳機能の低下で多々見られます。



認知症の行動、早期発見のポイント>


  • 物忘れ

同じことを何度も言う

いつも探し物をしている

  • 判断、理解力が衰える

話のつじつまが合わない

新しいことが覚えられない

  • 時間・場所がわからない

慣れた道でも迷ってしまう

日にちや曜日を間違えるようになる

  • 人柄が変わる

以前より怒りっぽくなった

自分の失敗を人のせいにする

  • 不安感が強い

家族がいないと寂しがる

出かける際に、持ち物を何度も確かめる

  • 意欲がなくなる

以前はお風呂好きだったのに入らなくなった

趣味活動をしなくなった



上記にあげた行動が目立つと認知症あるいは認知症の疑いがあります。

menscare.hatenablog.com


【怒ったらだめ?否定したらだめ?】

認知症の方は繊細で、強い不安を抱えています。
時間や場所が分からなかったり、記憶が定かではなく常に不安定な状況だからです。

そのため怒って大きな口調やきつい言い方で否定すると、とても不安になります。
不安感が強くなると、急に怒り出したり不穏になったりします。

そのため、対応する際はしっかりと「寄り添いながらゆっくり話す、穏やかに話す」
を心がけると認知症の方は安心します。

また、理解しやすいように一度に沢山のことを話さないようにするのもポイントです。


僕の体験談で、ある職員が認知症の利用者を対応していたんですが物凄くキツイ言い方で対応をしていたんです。

「ちょっと!何でそんなことするの!ダメでしょ!」

それに反論して利用者は「何だとー!うるさいな!」

と声を荒げていたんです。

言う事を聞いてくれず苛立った職員の気持ちはわかります。
人間ですからつい感情的になる場面もありますよね。

ただ、こういう時に少しでも上記の寄り添うケアのことを意識していただければと思います。


【適切なケア方法は?】

認知症のケアにおいては「正解」はありません。
それは一人一人の状態が違うからです。

これから紹介する6つの方法を組み合わせながら良いケアを目指すのが理想です。

  • ①中核症状に対してのケア

中核症状とは、脳の障害によって起きる症状で、時間や場所人が分からなくなる判断力の低下などです。

このような症状に対しては、時計屋カレンダーで日時を分かりやすくする、メモを残す、声かけをする、昔の話をして記憶に対して自身を持ってもらうなどのケアを行うことが望ましいです。

  • ②適度な運動と活動

適度な運動や活動をすると、脳の血液の代謝と循環が活発になり認知症の緩和、予防に適しています。
特に散歩は効果絶大との研究結果があります。

また、屋外に出るのも活動量が多くなり外出の機会を持つことは生活リズムを整えます。

運動による適度な疲労感は夜もぐっすり眠れて昼夜逆転を防ぎます。

水分不足や便秘、慢性疾患が原因で認知症の症状(BPSD)を進行させるケースもあります。

認知症の方は自分の身体の変化(発熱・痛み)を伝えるのが難しい場合があり、ケアをする職員や家族が気づいてあげることが大切です。

内服についても薬の飲み忘れや、通常より多く飲みすぎてしまう事もあり注意が必要です。

  • ④会話の機会をもつ

人との会話は脳の働きが活発になります。
そのため他者と会話を持つ機会を増やし笑い合えるような場を提供しましょう。

1人1人興味のある話題や好きなことは違うので、そのかたに見合ったお話をしたり映画や雑誌などの提供も会話の糸口になります。

  • ⑤趣味活動

先に述べた事柄ですが、興味や関心のあることに取り組むと快刺激につながります。
私達も、好きなことをしている時は楽しさだったり、幸せを感じますよね。

取り組みによってメンタル面も安定しますのであらかじめケア対象の方の情報を事前に調べて活動やレクリエーションを
考えてケアしていきましょう。

1人では中々動いてくれない場合は周りを巻き込んで一緒に行うと「やってみるかな」と意欲的になります。

役割や日課は定期的に身体を動かす機会につながります。
毎日のラジオ体操を行うようにすれば、それは日課になり毎日の行動習慣として運動を日課にすることができます。

他にもタオルたたみやウエス切りなんかも役割として適していますよ。


【最後に】

1人1人性格や症状も違うため、介護の仕方に正解はないかもしれません。
しかし、その方に寄り添うことで正解に近ずくことができると思います。
この記事が認知症ケアにおいて皆さんの参考になれば幸いです。