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認知症相手のコミュニケーションや帰宅願望がある方への対応方法

高齢者の認知症は、軽度の認知障害も合わせると4人に一人が認証症または予備軍です。

この数字は検査された方が対象ですから、検査してない方を含めるともっと多い事になります。

高齢者施設で働いている方は認知症の実態が分かっていますが、普段関わりのない方は認知症という言葉自体わからないかもしれません。

アナタが住んでいる近所のおばあちゃんも、もしかしたら認知症にかかっているかもしれません。
ちょっと最近様子がおかしいな?って思う方はいませんか?

そこで今回は、押さえておきたいポイント、認知症の方とのコミュニケーションの取り方や、施設で帰宅願望(家に帰りたい)がある方への対応方法を記載したいと思います。

認知症は種類が沢山ある

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一口に認知症といっても、様々なタイプの認知症があります。

この中でも、代表的なのがアルツハイマー認知症脳血管性認知症レビー小体型認知症になります。

介護施設でもこの3つの認知症の方が多く利用される場合が多いです。

アルツハイマー認知症

・脳の萎縮が原因
・女性に多く見られる
・物忘れ、季節感覚がない、日にちが分からない

【脳血管性認知症

脳梗塞などが原因
・感情のコントロールが上手くできない
・身体の状態に波がある

レビー小体型認知症

神経細胞にできる特殊なたんぱく質が原因
・男性に多い
・幻視が見られる


・コミュニケーションの取り方

認知症の方とのコミュニケーションって最初はとても難しいですよね。
どうしてそんなことをいってるのか、言葉が通じないなど悩む要素が沢山あります。

基本に振り返ると介護の本質として尊厳が重要視されています。
認知症の方を、どうみている、どうみられるかで自分なりの対応が変わると思います。

しっかり認知症の方と向き合っている方は、自分にとって大切な存在、と思って介護していると思います。

自分の気持ちよりも相手の気持ちになって考える事が、解決の糸口になり自然とコミュニケーションもできるようになっていくと思います。

根本的な目線を変えなければ、認知症の方とのコミュニケーションは難しいかもしれません。

深く利用者の事が分かってくると、行動や仕草、表情からどんな気持ちなのか分かるようになります。
普段からの観察は特に大事です。意識的に観察するようにしましょう。

・顔の表情に落ち着きがなくなる
・目線の動きが激しくなる
・顔色が紅潮してきている
・体がこわばってきている
・動きが大きく早くなってきている

などを注視して介護をしましょう。

また、声かけする際には利用者さんの目線と同じかやや下くらいの位置から話かけましょう。
その方が安心されるはずです。

・帰宅願望者の対応

「帰りたいの」「早く家に帰らせて」

介護職員なら利用者から言われるこの言葉に経験はあると思います。

とにかく帰りたい。家に帰りたい。

何度も何度もしつこい位に帰りたがる利用者さん。

何回説明しても聞かず、すぐ忘れ帰りたいの繰り返し。時には興奮して暴れまわる始末。

そんな利用者さんの対応はこちらです↓

【対応】

①他の事に興味を向かせる。
その人の趣味や、軽作業などを手伝ってもらったりして興味を向けさせると効果あります。
僕の経験談として、帰宅願望の強い利用者さんが居た時にタブレットの中に入れていた将棋をやってもらいました。
その利用者さんは夢中になってコンピューターと対戦して、結果帰宅願望は落ち着きました。

②家族に電話をかける
家族に電話して直接話してもらうと安心する場合があります。
すぐに忘れてしまうかもしれませんが、家族に説明してもらう事によって帰宅願望が落ち着く場合があります。
家族に電話をかけるのが難しい場合は、内線などで職員に家族のフリをしてもらうと家族だと思いこみ効果あります。
認知症が進んでいると、声だけでの判別はできない場合があります。

③散歩をしてもらう
「気分転換に少し歩きましょう」と声かけして
施設内を一緒に歩いたり、玄関前で外の空気を吸うと落ち着く場合があります。
あまりに興奮傾向だと外へ連れていくのはNGですが、本人の様子を伺ってみると良いです。


・最後に

認知症の方のケアってとても難しいですよね。
僕が新人の頃は、認知症の方とそうじゃない人の見分けがつかず言っていることを素直に信じていました(汗)
経験を通していくと、こういうパターンにはこう対応する。みたいなのが自分の中で出来上がっていくんですよね。
沢山認知症の方に触れて沢山の経験を積むのがケアの近道かもしれません。