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【介護職】高齢者の食事ケアで気をつけるポイントは?

高齢者の方にとって食事は1日の中で特に楽しみにしている事の1つです。
食事することは生きる意味で必ず必要な行為であり、身体の栄養を支えています。

介護職が第一にに考えるのは「美味しく食べて頂く」ということです。
例えば介助の効率を考えて次々に利用者の口の中に詰め込むような食べさせ方はNGです。

この記事では食事ケアで気をつけるポイントを紹介したいと思います。


【姿勢】

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食事の際は、座っている状態できちんと床に足をつけて軽い前傾姿勢を取るのが基本の姿勢になります。

車椅子の利用者は構造上、足が床につきずらく、座面が沈むような作りになっているので前傾姿勢をとりずらいです。
そのため、できるだけ普通の椅子に移り変えて食事してもらいます。

また、アゴが上を向いていると食べ物が気管に入りやすくなってムセやすくなり、必ずアゴは引いた状態で摂取してもらいます。
試してみると分かりますが、上を向いた状態だと飲み込みもできなくなります。

ベッド上で介助する時にも頭の後ろに枕を入れてアゴが上に向かないようにします。
アゴと胸の間に指が3本入る位が目安です。

【介助の留意点】

介助用のエプロンを着用し食事介助は座って行いましょう。

立った状態で介助を行うと、利用者の目線が上になりアゴも上を向いてしまう場合があり危険です。
また、利用者に対しても失礼にあたります。

食べこぼしがある利用者の場合はエプロンを使用して頂く。

口の中の食べ物を飲み込んでから、次のひと口を入れる。

一口の量は多すぎないようにする。

食事のペースは早すぎないようにする。

一つの事に集中しすぎず、全体を見守るなどの配慮も必要。

食べ終わった方の摂取量を確認し記録する。

食事後は30分〜1時間位は起きているようにする(逆流性食道炎を引き起こす場合あり)。

【むせの原因・対処法】

本来、食道に入るべき食べ物が誤って気道に入り、それを気道から追い出すために起こる生理的な身体の現象です。

そのため、無理に止めずしっかりとむせて異物を気道から追い出すことが大切です。

<ムセた時の対処法>

ムセが出現した場合には、一旦中止しましょう。

①前傾姿勢になり、咳を出してもらう。

②むせが落ち着くのを待つ

③深呼吸を3回繰り返す


※ムセがひどく持続するようなら看護師へすぐに報告しましょう。


ムセやすい方には、トロミを使用するなど工夫するのも大切です。
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【その方にあった食事の形態を提供する】

普通の食事を食べれるかたは問題ありませんが、歯の状態が悪く固い物が食べれなかったり、大きくて飲み込めない場合があります。

そのような方には副食を1口大にしたり、刻み対応にしましょう。

また、飲み込みがとても悪く、きざみ食でも厳しい場合は流動食(ミキサー)を考える必要があります。

一人一人に合った食事形態をしっかり把握しましょう。

【食べ物の好き嫌いを把握する】

あらかじめ利用者の好き嫌いを把握しておくのが大切です。
高齢者では肉嫌いな方も多かったり、麺が食べれない方もいて好みは様々です。

嫌いな食べ物が提供されると箸が進まず、摂取量も少なくなってしまいます。
そのため事前にしっかり調べてから提供しましょう。

中々自分では言えない方も多いので、食事の際に声かけしてその方の嗜好を読み取りましょう。
「美味しく食べて頂く」には必須です。

【お腹が空いていない・食欲がない】

食事の時間になっても「お腹が減っていないから食べたくない」と返答する利用者がたまにいます。

その場合の対処法は「少しだけでも食べませんか?」と声かけしたり、少し時間を開けて食べたくなるタイミングを待つことも重要です。

本当に体調が悪そうにしている時は、看護師に報告したりバイタル測定をしましょう。
異常があったら居室で食べてもらうなど安静対応しましょう。

他にも口の中の痛みで食欲が落ちている事もあります。

入れ歯が合わない、歯茎の腫れ、口内炎など原因の可能性があります。

【席の配慮をする】

誰とでも仲良くできる方は問題ありませんが、利用者同士でも仲の良い人、悪い人がいます。

食事は親しい人と一緒に食べれば美味しく食べれますが、嫌いな人と顔を合わせて食べるのは苦痛で不味く感じてしまいます。

そのため、利用者の席の配慮にも気を配ることが大切です。

【最後に】

いかがでしたか?

今回述べた事を意識するだけでも食事ケアのレベルが少しUPすると思います!

高齢者にとっての食事は毎日の楽しみです。

「美味しく食べて頂く」ことをモットーに介護にあたって頂ければ幸いです。